スレート屋根の屋根リフォーム

屋根リフォームの種類と費用相場を初心者の方に分かりやすく解説

屋根は建物を雨から守る重要な役割があり、屋根の劣化や不具合は建物全体に影響を及ぼします。

また、屋根の劣化や不具合は、訪問販売業者から指摘を受けやすく、リフォームトラブル入り口になりやすいのが特徴です。

屋根リフォームを検討する際は、施主様自身がしっかりと、屋根リフォームに対して事前知識を持って、信頼できる業者にリフォームを依頼することが重要です。

そこで、この記事では屋根リフォームで失敗しないために、施主様が知っておくべき基礎知識についてまとめました。

屋根リフォームの種類を始め、リフォーム工法別の費用相場など、適正価格で適切な屋根リフォーム実現するための基礎知識について、詳しく解説しています。

  • 屋根リフォームを検討しているけど、何から手を付ければ良いのか分からない
  • 訪問販売業者に、葺き替え工事を提案されているけど、適正価格か分からない
  • 屋根リフォームを、どこに依頼すれば良いのか分からない

屋根リフォームに関して、上記のような疑問をお持ちの施主様にとって、役に立つと思いますので、是非、最後までお読み頂き、参考にしてもらえればと思います。

屋根リフォームの種類

まず始めに、屋根リフォームの種類について、理解を深めましょう。

一般的に屋根リフォームは下記の4つの工法が主流です。

  • 屋根塗装
  • 屋根カバー工法(重ね葺き)
  • 屋根葺き替え
  • 屋根葺き直し

それぞれ、具体的に見ていきましょう。

屋根塗装

塗装により屋根材の防水性を回復させる屋根リフォームです。

スレート瓦やセメント瓦は、塗装により防水性を確立している屋根材です。

8年~10年くらいを目安に、塗装が劣化し始め、屋根材の防水性が低下します。

防水性が低下した屋根材は、水分を吸収することで脆くなり、「割れ」や「反り」など屋根材本体の劣化症状に発展します。

そのため、10年前後を目安に屋根塗装を行い、屋根の防水性能を回復させる必要があります。

また、屋根塗装を行うことで、美観も回復します。屋根塗装は外壁塗装とワンセットで行うことで、足場を有効活用できるため、費用対効果が高まります。

屋根塗装はスレート瓦やセメント瓦では最も一般的なメンテナンス方法になります。

屋根カバー工法(重ね葺き)

屋根カバー工法は、既存の屋根材の上に、金属のガルバリウム鋼板屋根を被せるリフォーム工法です。

スレート屋根の張り替え(葺き替え)工法として一般的です。

日本瓦などの場合、既存の屋根材(瓦)を、撤去し廃棄してから、新しい屋根を施工します。

一方で、カバー工法は屋根材は撤去せずに、既存のスレート屋根を土台として、ガルバリウム鋼板屋根を施工します。

そのため、カバー工法は、屋根材の撤去工程が無く、廃材も少ないのが特徴です。

従来の葺き替え工法と比べて、安価かつ、短期間で屋根リフォームを実現できるコストパフォーマンスに優れた屋根のリフォーム工法です。

屋根葺き替え

屋根の葺き替えは、既存の屋根材を撤去して、新しい屋根を施工するリフォーム工法です。

日本瓦やセメント瓦、トタン屋根では一般的な屋根のリフォーム工法になります。

屋根は「屋根材」「防水シート」「野地板(下地板)」の3層構造なっています。

屋根の葺き替え工事は屋根材だけではなく、屋根内部の「防水シート」「野地板」も含めて交換、補修されるため、根本的なメンテナンスを実現できるのが特徴です。

特に、雨漏り修理では効果的で、雨漏りが再発する可能性を軽減した、確実性の高い雨漏り修理を実現できます。

屋根葺き直し

屋根葺き直しは、屋根の防水性を確立している、防水シートを交換するリフォーム工法で日本瓦屋根で施工されます。

日本瓦の耐用年数は80年と言われており、経年劣化を理由に瓦屋根のリフォームを検討する必要はありません。

しかし、屋根内部の防水シートは、経年劣化により破れたり、縮れにより隙間が生じるなど不具合が発生します。

そのため、日本瓦屋根は40年~50年くらいを目安に、屋根内部の防水シートを交換する必要があります。

葺き直しは防水シートを交換後、再度、瓦を葺き直すため、瓦ズレや浮き、棟の漆喰の劣化も含めて総合的にメンテナンスを行います。

屋根材別のリフォームの目安と工法

屋根リフォームは、屋根材の種類や劣化症状、施主様のご要望やご予算によって、最適なリフォーム工法が変わってきます。

また、屋根は施主様自身で状況を確認することが難しい箇所なため、悪質な業者も多く、不必要に高額なリフォーム工事を勧めてくる業者も、非常に多いのが特徴です。

そのため、屋根リフォームを始める前に、建物の築年数や劣化症状から、適切な屋根のリフォーム工法を理解をしておくと失敗する確率をグッと低減できます。

ここからは屋根材別の屋根リフォームの目安と具体的なリフォーム工法について解説していきます。

スレート瓦

スレート瓦

スレート瓦は、セメントを主原料とした屋根材で、塗装により防水性を確立しています。

初期塗装は8年~10年くらいを目安にの防水性が低下します。

そのため、10年前後を目安に、屋根塗装によるリフォームを行います。

その後、初回の屋根塗装の塗料の耐用年数に応じて、20年~25年(シリコン塗料の場合)で2回目の屋根塗装を行い、30年~35年くらいで屋根カバー工法でガルバリウム鋼板屋根に張り替えます。

ガルバリウム鋼板は、再塗装の必要が無いメンテナンスフリーの屋根材です。

そのため、20年~25年の2回目の屋根塗装のタイミングで、ガルバリウム鋼板に張り替えることで、1回分の屋根塗装の機会を省略できるので、費用対効果が高まります。

日本瓦

日本瓦

日本瓦は粘土を主原料とした屋根材で、耐用年数が80年と非常に耐久性に優れた屋根材です。

日本瓦自体は劣化することはありませんが、屋根の棟の漆喰と防水シートは劣化するため、40年くらいを目安に、葺き直しによるリフォームが必要です。

葺き直しで防水シートを交換後、再度、瓦を組み直すため、瓦のズレや漆喰の劣化も含めてリフォームできます。

その他に、耐震リフォームの一環として、日本瓦からガルバリウム鋼板に、葺き替えるケースも多いです。

日本瓦からガルバリウム鋼板に葺き替えることで、屋根の重さが60%軽減されることから、建物の重心が下がり、建物全体の耐震性能が向上します。

トタン

トタン屋根

トタン(亜鉛メッキ鋼板)は金属屋根で、表面の亜鉛メッキが腐食(錆びる)ことで芯材を保護する屋根材です。

トタンも塗装により防水性能を確立しており、8年~10年を目安に屋根塗装によるメンテナンスを行います。

屋根材としての耐用年数は短く、錆が発生しやすいため、20年~30年くらいでガルバリウム鋼板に葺き替えるの一般的です。

屋根リフォームの費用相場

ここまで、「屋根塗装」「カバー工法」「葺き替え」リなどの屋根のリフォーム工法を見ていきましたが、リフォーム工法によって費用相場が異なります。

また、施工面積、リフォームの工法など、同じ施工条件であっても、業者の施工形態の違いから屋根リフォームの費用相場は大きく変わってきます。

屋根リフォームを適正価格で行うために、まずはリフォーム工法別の価格帯について理解を深めましょう。

屋根塗装、カバー工法、葺き替え、葺き直しなどの代表的なリフォーム工法の費用相場を、下記の表にまとめましたので、まずは各リフォーム工法の、全体的な相場感を掴みましょう。

リフォーム工法費用相場
屋根塗装40万円〜80万円
屋根カバー工法(重ね葺き)80万円〜150万円
屋根葺き替え120万円〜200万円
葺き直し40万円〜80万円

屋根塗装の費用相場

屋根塗装は、使用する塗料のグレードによって費用が変動します。

屋根塗装で標準的に使用される、シリコン塗料の場合、40万円~60万円ほどの価格帯になります。

一方で、耐用年数が長く、グレードの高い「フッ素塗料」の場合、60万円~80万円と費用相場が変動します。

このように、屋根塗装は塗料のグレードにより、費用相場が変動することを理解しておきましょう。

屋根カバー工法(重ね葺き)の費用相場

屋根カバー工法は、80万円~150万円が中心価格帯になります。

屋根カバー工法で使用するガルバリウム鋼板は、建材メーカー大手、チニハの「横暖ルーフ」や外装材メーカー、アイジー工業の「スーパーガルテクト」などがメジャーですが業者の仕入れルートやロットなどで価格差が生じます。

また、製品の中にもグレードがあり、初期塗装で耐久性に優れたフッ素塗料が使用されている製品の場合、価格が高くなります。

このようにカバー工法は製品の種類と製品のグレートにより価格が変動することを理解しておきましょう。

屋根葺き替えの費用相場

屋根の葺き替え工事は、120万円~200万円が中心価格帯になります。

カバー工法の費用に、屋根材の撤去費用、廃棄費用が上乗せされた金額になります。

。一般的に、屋根の葺き替え工事では、ガルバリウム鋼板が使用されることが多いですが、日本瓦やアスファルトシングルなどを使用する場合、屋根材の単価に価格が左右されます。

また、雨漏りにより、屋根の躯体(柱)が腐食しており、補修作業が必要な場合、価格が高くなります。

そのため、見積もり段階でしっかりと屋根材の種類や、工事内容を確認しておくことが重要です。

屋根リフォームの業者の選び方

屋根リフォームは「ハウスメーカー」や「リフォーム会社」「便利屋」など、様々な業者が営業をしています。

また、訪問販売業者も多く、トラブルの多いリフォームジャンルになります。

そこで、ここからは屋根リフォームで失敗しない優良業者の解説していきます。

外装リフォームに精通している業者

屋根リフォームは、金属屋根のガルバリウム鋼板を扱うのであれば「板金工事」。日本瓦を扱うのであれば、「瓦工事」。塗装をするのであれば「塗装工事」など、一言に屋根リフォームと言っても専門分野は多岐に渡ります。

屋根の状態を適切に判断して、最適なリフォーム工法を提案、施工するためには、外装リフォームを専門としている業者が最も安心です。

具体的に、建築士や塗装技能士などの国家資格を保有している業者は、建物の構造や設計を含めて理解しており、外装リフォームに精通している業者と言えます。

ホームページを確認して建築士や塗装技能士、雨漏り診断士など、外装リフォームに有効な資格を保有していることを確認すると安心です。

アフターフォローがしっかりしている業者

屋根リフォームは定期点検などの、アフターフォローをしっかりと行う業者を選ぶと安心です。

屋根は台風や強風、地震などの自然災害により、破損することが多い箇所になります。

また、屋根は施主様自身では確認できない箇所になるため、劣化や不具合が放置されることも少なくありません。

そのため、屋根リフォームは施工後の経過観察も含めて、定期点検をなどのアフターフォローをしっかりと行ってくれる業者に依頼すると付加価値が高いです。

いかがでしたか?屋根のリフォームについて理解は深まりましたか?

屋根は雨から建物を守る重要な役割があります。大切な住宅をずっと守り続けていくためには確実に屋根リフォームは必要です。

特に、屋根カバー工法や葺き替え工事などの防水シートも含めたリフォームは今後、数十年の屋根の状態を左右する重要なリフォームになります。

そのため、屋根リフォームを行う前に、屋根リフォームに対して適切な知識を持って、信頼できる優良業者に屋根リフォームを依頼することが何よりも重要です。

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